気持はわかるけど・・・
2005年1月6日朝からお天気も悪いためか、来院者はポツポツ。しかし4日に開けてからイヤに新患率が高い。どうやら近くの某小児科が6日までお休みらしい。午後になって1歳代の児を連れた母親が来院した。「保育園で水疱瘡じゃないかって言われたんですけど」そう窓口で言っていた。診察室に呼び入れて診察したところ、やはり水痘疹がたくさんでている。「あらぁお母さん、やっぱり水疱瘡みたいね」と言うと元々笑顔の無かった母親の顔がさらに不機嫌そうになった。聞けば、昨秋、近医で水痘ワクチンを接種しており、今日は保育園で指摘を受け慌てて前述の某小児科が罹り付けのため電話をしたらお休みだったので、こちらに来たと言う。私はもう一度児を入念に診察し、やはり水痘である事、総ての発疹がカサブタになるまで登園できない事、連休が控えているから投薬はまず2日分出すので明後日診せて欲しい事を伝えた。すると母親の口元はますますと尖り「明後日の結婚式はでれないんですか?」と聞かれた。聞けばその結婚式は県外であった。やはり感染性疾患である事、無理をさせない方が良いことを説明した。最終的に納得され、帰宅されたがこの母親の不満はよく分かる気がした。何故なら高いお金を出して水痘ワクチンをしたのに罹患した事・発疹が出ているのにワクチン接種していた為違うと思い登園させ、保育士に指摘された事・慌てて罹り付け医に連絡しても休院だった事・挙句の果てには楽しみにしていたであろう結婚式に出れない事が重なって、行き場のない不満を最後に「水痘です!」と言い放った医師に向けられたのだろう。気持はわかるけど子供の病気優先だし・・・といった気持になった。こんな時に、最近の母親はストレスを感じるのだろうか?お腹を痛めて産んだ子の健康は何よりも優先ではないのだろうか?夕方ニュ−スで奈良の小学児童誘拐事件の続報があっていた。被害者の母親は我が子の水痘罹患の心配ももう出来ないし、その健康を案じる事も出来ない。
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