先日の夜間診療の時、「扇風機に子供の指が当ったので骨折していないか診てほしい」と真夜中に受診してきた児がいた。受傷時間は受診1時間前。当然真夜中だ。
「小児科でも良いのでまず診てほしい」という事なので診察室へ呼び入れた。“受傷したのは一体誰?”と言いたいくらい、その児の指には傷は無く動かしている。しかも笑顔だ。聞けば扇風機にはネットが張ってあり、そのネットの網目は子供の指よりも小さいそうだ。よく状況を聞いたうえで指がネットの網目を通らなければ、垂直に指が扇風機の羽にアプロ−チする事は理論的には不可能であろうと淡々と両親に説明した。母親は納得していたようだが、父親は顔つきが腑に落ちない様子。しかもせっかく人が懇切丁寧に教えているのに私の名札ばかり見ている。最後に小児の“若木骨折”についても説明し「少なくとも、今レントゲンをとても無駄な被爆になると思いますので、今夜は撮りません」ときっぱり伝えた。
こういう状況の時、後からクレ−ムがくる事がある。なぜなら、説明を聞く際に“名札”という他のものにベクトルが向いているため、後日「聞いていない」等の不満が出てくるからだ。真夜中のこういった診療の極意として、説明したことは全て記載すること。手間はかかるが、一番確実な方法だ。私は様々なアクシデントを体験し、この方法が一番確実で正攻法と思われる。
真夜中は身体も疲れるが心も疲れる。でも気を張って自分で自分の身を守りつつ“夜の診療”にいそしむ。
「小児科でも良いのでまず診てほしい」という事なので診察室へ呼び入れた。“受傷したのは一体誰?”と言いたいくらい、その児の指には傷は無く動かしている。しかも笑顔だ。聞けば扇風機にはネットが張ってあり、そのネットの網目は子供の指よりも小さいそうだ。よく状況を聞いたうえで指がネットの網目を通らなければ、垂直に指が扇風機の羽にアプロ−チする事は理論的には不可能であろうと淡々と両親に説明した。母親は納得していたようだが、父親は顔つきが腑に落ちない様子。しかもせっかく人が懇切丁寧に教えているのに私の名札ばかり見ている。最後に小児の“若木骨折”についても説明し「少なくとも、今レントゲンをとても無駄な被爆になると思いますので、今夜は撮りません」ときっぱり伝えた。
こういう状況の時、後からクレ−ムがくる事がある。なぜなら、説明を聞く際に“名札”という他のものにベクトルが向いているため、後日「聞いていない」等の不満が出てくるからだ。真夜中のこういった診療の極意として、説明したことは全て記載すること。手間はかかるが、一番確実な方法だ。私は様々なアクシデントを体験し、この方法が一番確実で正攻法と思われる。
真夜中は身体も疲れるが心も疲れる。でも気を張って自分で自分の身を守りつつ“夜の診療”にいそしむ。
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今朝の毎日新聞の記事にブチ切れ!!
“研修医、大学病院に「不満」が43% 厚労省調査「低待遇理由」に”
04年4月から必修化された医師臨床研修制度について、厚労相が臨床研修医にアンケ−トした結果、一般病院より大学病院の研修の満足度が低いことがわかった。大学病院への不満は「処遇・待遇が悪い」が最も多かった。
アンケ−トはすべての臨床研修医7392人(一般病院3262人、大学病院4130人)を対象に今年3月実施。回収率は59.2%。
臨床研修医の満足度は、一般病院が「満足している」が54.5%に対し、大学病院34.7%しかなく、「満足していない」(43.4%)が上回った。大学病院で満足していない理由は「処遇・待遇が悪い」に続いて「必要な手技(症例)の経験が不十分」「研修に対する診療科間(病院間)の連携が悪い」などとなっている。
研修医の平均年収は03年度の約265万円から、04年度は約365万円に増えた。ただ、04年度は一般病院の約422万円に対し、大学病院は約318万円で差が大きい。
ふざけるんじゃない(怒)!!自分達を何様と思っているの?待遇が悪いって偉そうに!はっきりいって現場では貴方達は“邪魔”なだけ。学生よりもたちが悪いの。どうしてだか、わかる?貴方達は“免許”を持っているから処置が出来る。“処置が出来る学生さん”なの。指導者は教えないといけないわけ。受け入れ先の指導教官は大変。特に受け皿が大きい大学病院は大変なの。せっかく母校を出た“研修医”だから出来るだけ残したい。でもそのためには指導教官も必要。だから貴方達のため派遣していた市中病院から中堅どころの医師たちを呼び返して、準備した。そのおかげで被害を被ったのは派遣を大学病院に頼っていた市中病院。ある病院は大学から呼び返されて18人いた内科医師が10人に減ってしまった。そのためにベッド数も減らさざるを得なかった。誰のためでもない貴方達“研修医”のために起こった歪み。可哀想なのは地域の患者さん達。とうとう県が腰を上げ、県内の高校出身者で卒後10年前後の医師を調べて、高待遇で用意するから帰ってきてほしいってポスタ−まで作成した・・・というニュ−スもあっていた。ここまでした大学病院を批判する立場になんていないのよ、研修医さん達。
批判するならこんな悪しきシステムを考えたお馬鹿な厚生労働省のお役人を相手にしなさい。現場のことなんてな〜んにも考えていない人たちが考え出したから、こんなお粗末な結果になった。今回のアンケ−トだってする必要ないの。給料が安い?ふざけるんじゃないわよ。私の初任給なんか5万以下。医員になっても10万円。それに比べて幾らもらってるのよ。「安い」なんて言わせない。
頭を冷やしなさい。そして2年間で採血・点滴・挿管くらいは出来るようにせいぜい練習しなさい。IVH?とんでもない!!その前にきちんと問診を取り、診察することが先決。ただの処置屋さんにならないよう、気をつけることね。系統だって考えることが出来なければ何にもならないってこと。
これだけ迷惑掛けているのだから、腰を低くして何でも自ら学ぼうって姿勢を持ちなさい。相手が用意が悪いなんて口が裂けても言っては駄目。数年後、このシステムがどう評価されるか、わかりきってはいるけどね。
一人前になるのに時間がかかるわけ。そのことを十分肝に銘じて少しでも早く“使える”医師になりなさい。
“研修医、大学病院に「不満」が43% 厚労省調査「低待遇理由」に”
04年4月から必修化された医師臨床研修制度について、厚労相が臨床研修医にアンケ−トした結果、一般病院より大学病院の研修の満足度が低いことがわかった。大学病院への不満は「処遇・待遇が悪い」が最も多かった。
アンケ−トはすべての臨床研修医7392人(一般病院3262人、大学病院4130人)を対象に今年3月実施。回収率は59.2%。
臨床研修医の満足度は、一般病院が「満足している」が54.5%に対し、大学病院34.7%しかなく、「満足していない」(43.4%)が上回った。大学病院で満足していない理由は「処遇・待遇が悪い」に続いて「必要な手技(症例)の経験が不十分」「研修に対する診療科間(病院間)の連携が悪い」などとなっている。
研修医の平均年収は03年度の約265万円から、04年度は約365万円に増えた。ただ、04年度は一般病院の約422万円に対し、大学病院は約318万円で差が大きい。
ふざけるんじゃない(怒)!!自分達を何様と思っているの?待遇が悪いって偉そうに!はっきりいって現場では貴方達は“邪魔”なだけ。学生よりもたちが悪いの。どうしてだか、わかる?貴方達は“免許”を持っているから処置が出来る。“処置が出来る学生さん”なの。指導者は教えないといけないわけ。受け入れ先の指導教官は大変。特に受け皿が大きい大学病院は大変なの。せっかく母校を出た“研修医”だから出来るだけ残したい。でもそのためには指導教官も必要。だから貴方達のため派遣していた市中病院から中堅どころの医師たちを呼び返して、準備した。そのおかげで被害を被ったのは派遣を大学病院に頼っていた市中病院。ある病院は大学から呼び返されて18人いた内科医師が10人に減ってしまった。そのためにベッド数も減らさざるを得なかった。誰のためでもない貴方達“研修医”のために起こった歪み。可哀想なのは地域の患者さん達。とうとう県が腰を上げ、県内の高校出身者で卒後10年前後の医師を調べて、高待遇で用意するから帰ってきてほしいってポスタ−まで作成した・・・というニュ−スもあっていた。ここまでした大学病院を批判する立場になんていないのよ、研修医さん達。
批判するならこんな悪しきシステムを考えたお馬鹿な厚生労働省のお役人を相手にしなさい。現場のことなんてな〜んにも考えていない人たちが考え出したから、こんなお粗末な結果になった。今回のアンケ−トだってする必要ないの。給料が安い?ふざけるんじゃないわよ。私の初任給なんか5万以下。医員になっても10万円。それに比べて幾らもらってるのよ。「安い」なんて言わせない。
頭を冷やしなさい。そして2年間で採血・点滴・挿管くらいは出来るようにせいぜい練習しなさい。IVH?とんでもない!!その前にきちんと問診を取り、診察することが先決。ただの処置屋さんにならないよう、気をつけることね。系統だって考えることが出来なければ何にもならないってこと。
これだけ迷惑掛けているのだから、腰を低くして何でも自ら学ぼうって姿勢を持ちなさい。相手が用意が悪いなんて口が裂けても言っては駄目。数年後、このシステムがどう評価されるか、わかりきってはいるけどね。
一人前になるのに時間がかかるわけ。そのことを十分肝に銘じて少しでも早く“使える”医師になりなさい。
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今日、人生で初めての“おぞましい生き物”遭遇した。キンキンした声を発し、歯を剥き出しにして相手の腕やお腹や、そして頸部を狙って襲い掛かる。ただでさえ痛んでいた私の心を容赦なくズタズタにした。
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朝からW病院休日日勤へ出向く。ここ数日冷え込んできたので、そろそろインフルエンザが出始めるのか・・・それらしき児が受診。早速検査をしてみる。外れもあったがB型ビンゴ!でもこの時期B型とは・・・やはり暖冬の影響か?
2歳の喘息の児が来院。カルテを見ると昨日も19時30分に受診していた。ここの病院は月曜から土曜は夜の20時まで診療している。ぎりぎり飛び込み受診は少なくは無い。結局、症状が重くて昨夜も入院を勧められていたが「1歳の子がいるので拒否された」と記載されていた。結局担当医は0時過ぎまで点滴・吸入などで治療していた。
幸い増悪は無かったようだが、聴診するとピ−ピ−と北風のような呼吸音。喘息は日中は比較的落ち着く傾向がある。しかしその時間帯にこの音じゃ夜間の悪化は十分予測されるため、その事を母親に説明し、夕方まで点滴・吸入で加療することを伝えた。「でも夕方落ち着いていなければやっぱり入院が必要かも・・・」と付け加えた。渋い顔をする母親に「おばあちゃんとかは?」と聞くと「居るけど仕事がね−」との返事。
「まず夕方までしっかり治療しましょう」と言い、他の児の診察に戻った。
私達だって闇雲に入院を勧めるわけではない。喘息の怖いところは急に呼吸困難になり人工換気が必要になったり、最悪の場合は突然死したりする。この事があるから「どうかな・・・」と思う場合は入院を勧める。とくにこの児の場合は昨夜も内容濃い治療を受けており、今日も改善芳しくない。
お昼に近くのH病院の小児科T先生から電話が入る。先程の母親がかかりつけ病院であるH病院に電話をしたらしい。T先生は顔見知り。T先生曰く「母親が言うには前回の入院の時ほど悪くないから今日のところは夕方までW病院で点滴等で様子を見て明日H病院を受診させて下さい」
私はこのT先生の申し出にカチンと来た。一つはまず母親の判断を鵜呑みにして現在の児の状態を私に聞かなかった事、二つ目は今夜悪化したら誰が診るのかという事だ。
H病院小児科は医師が4人居る。W病院の小児科医師は2人だ。どちらもオンコ−ル体制(呼び出し)をしいているが、救急看板を掲げているにもかかわらず何故かH病院罹り付け患者は、夜間だけW病院に受診する。その度に2人のうちどちらかが呼び出される。
私は言った。「先生、お母さんには軽く見えるかもしれないけど、聴診上はかなり悪いし、昨日もこちらの医者が0時過ぎまで残って治療して上での今日の状態なのよ。夕方まで診て判断はするけど、夜間悪化した時は何所を受診するように言ったらよいの?」
T先生は黙った。そして小さな声で「ではH病院を受診するように言ってください。そのときは私が出て行きます」
幸いその児は、夕方には症状が軽くなったのでこの2日間の治療内容を書いた手紙を持たせ、帰宅させた。
17時になり、日勤終了!W病院の看護師さんたちと夕食へ。居酒屋でわいわい言いながら楽しい一時を過ごす。皆でストレス解消し、ほろ酔い気分で帰宅した。明日は久々の休日。ちょっと朝寝を楽しもうっと!
2歳の喘息の児が来院。カルテを見ると昨日も19時30分に受診していた。ここの病院は月曜から土曜は夜の20時まで診療している。ぎりぎり飛び込み受診は少なくは無い。結局、症状が重くて昨夜も入院を勧められていたが「1歳の子がいるので拒否された」と記載されていた。結局担当医は0時過ぎまで点滴・吸入などで治療していた。
幸い増悪は無かったようだが、聴診するとピ−ピ−と北風のような呼吸音。喘息は日中は比較的落ち着く傾向がある。しかしその時間帯にこの音じゃ夜間の悪化は十分予測されるため、その事を母親に説明し、夕方まで点滴・吸入で加療することを伝えた。「でも夕方落ち着いていなければやっぱり入院が必要かも・・・」と付け加えた。渋い顔をする母親に「おばあちゃんとかは?」と聞くと「居るけど仕事がね−」との返事。
「まず夕方までしっかり治療しましょう」と言い、他の児の診察に戻った。
私達だって闇雲に入院を勧めるわけではない。喘息の怖いところは急に呼吸困難になり人工換気が必要になったり、最悪の場合は突然死したりする。この事があるから「どうかな・・・」と思う場合は入院を勧める。とくにこの児の場合は昨夜も内容濃い治療を受けており、今日も改善芳しくない。
お昼に近くのH病院の小児科T先生から電話が入る。先程の母親がかかりつけ病院であるH病院に電話をしたらしい。T先生は顔見知り。T先生曰く「母親が言うには前回の入院の時ほど悪くないから今日のところは夕方までW病院で点滴等で様子を見て明日H病院を受診させて下さい」
私はこのT先生の申し出にカチンと来た。一つはまず母親の判断を鵜呑みにして現在の児の状態を私に聞かなかった事、二つ目は今夜悪化したら誰が診るのかという事だ。
H病院小児科は医師が4人居る。W病院の小児科医師は2人だ。どちらもオンコ−ル体制(呼び出し)をしいているが、救急看板を掲げているにもかかわらず何故かH病院罹り付け患者は、夜間だけW病院に受診する。その度に2人のうちどちらかが呼び出される。
私は言った。「先生、お母さんには軽く見えるかもしれないけど、聴診上はかなり悪いし、昨日もこちらの医者が0時過ぎまで残って治療して上での今日の状態なのよ。夕方まで診て判断はするけど、夜間悪化した時は何所を受診するように言ったらよいの?」
T先生は黙った。そして小さな声で「ではH病院を受診するように言ってください。そのときは私が出て行きます」
幸いその児は、夕方には症状が軽くなったのでこの2日間の治療内容を書いた手紙を持たせ、帰宅させた。
17時になり、日勤終了!W病院の看護師さんたちと夕食へ。居酒屋でわいわい言いながら楽しい一時を過ごす。皆でストレス解消し、ほろ酔い気分で帰宅した。明日は久々の休日。ちょっと朝寝を楽しもうっと!
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