まだ真っ暗な早朝から地鳴りがするような轟音で、飛び起きた。これだけ世界中で天変地異が起これば、この地で何か起きてもおかしくない。幸い雷のようだ。しかし幾度となく闇夜に稲妻と雷鳴が駆け巡り、雨を連れてきた。今日は大学受験のセンタ−試験。只でさえ緊張している受験生。これを景気付けの大太鼓と思って全力を出して!と祈った。
遥か遠く私も受験生だった。当時は“共通一次試験”と呼んでいて国公立大学受験にのみ適応されていた。「お医者さんになる!」と言うと喜んでいた両親。そんな喜ぶ姿が見たくて小さい頃から言い続けてきた。高校に進学した頃、そんな私に反抗期が来た。「ぬくぬくと両親が引いたレ−ルに乗って良いのか?私の人生は自分で決めたい」思春期特有の浅はかな無鉄砲な考え。絵に没頭した私の成績は急降下した。
高3の秋、父がポツンと「やっぱり医学部は嫌か?」と言った。その姿があまりにも哀しげだった。ようやく目が覚めた気がした。しかし、それまでのロスは大きく私には春は来なかった。翌年再度共通一次を受けた。去年よりはかなりアップしたがその点数を生かすことなく、結局は私立医学部に進学する事になった。進学した大学の合格発表の日、電話で両親に伝えた。「番号あったよ」と言うと「そう、良かったわね」と答える母。電話の向こうで父に伝える声が聞こえた。受話器に戻った母が笑いを含んだ声で「お父様、トイレに入っちゃった。きっと泣いてるわよ」
紆余曲折あった大学進学。でも医師という仕事は私には天職ではないかもしれない。しかし今こうやって生活する中で、あの時両親が一所懸命に私をこの人生のレ−ルに乗せてくれた事には感謝している。
共通一次の時は今年同様寒い時期だった。それでも母は早起きしてお弁当を作ってくれた。ゲンを担いだ竹輪やカツがそれには必ず入っていた。父はカイロを温めて持たせてくれた(注:白金カイロ)。センタ−テストもニュ−スを見ながら思い出した。
夜、高校時代の友達4人で多国籍料理「ポ〇〇レ」で新年会。昔話に盛り上がる。「そういえば今日センタ−テストだったよね」と誰かが言い出した。「今受けても全然解かんないよね〜」この意見には全員一致。少しだけ高校生に戻った夜は静かにふけていった。
遥か遠く私も受験生だった。当時は“共通一次試験”と呼んでいて国公立大学受験にのみ適応されていた。「お医者さんになる!」と言うと喜んでいた両親。そんな喜ぶ姿が見たくて小さい頃から言い続けてきた。高校に進学した頃、そんな私に反抗期が来た。「ぬくぬくと両親が引いたレ−ルに乗って良いのか?私の人生は自分で決めたい」思春期特有の浅はかな無鉄砲な考え。絵に没頭した私の成績は急降下した。
高3の秋、父がポツンと「やっぱり医学部は嫌か?」と言った。その姿があまりにも哀しげだった。ようやく目が覚めた気がした。しかし、それまでのロスは大きく私には春は来なかった。翌年再度共通一次を受けた。去年よりはかなりアップしたがその点数を生かすことなく、結局は私立医学部に進学する事になった。進学した大学の合格発表の日、電話で両親に伝えた。「番号あったよ」と言うと「そう、良かったわね」と答える母。電話の向こうで父に伝える声が聞こえた。受話器に戻った母が笑いを含んだ声で「お父様、トイレに入っちゃった。きっと泣いてるわよ」
紆余曲折あった大学進学。でも医師という仕事は私には天職ではないかもしれない。しかし今こうやって生活する中で、あの時両親が一所懸命に私をこの人生のレ−ルに乗せてくれた事には感謝している。
共通一次の時は今年同様寒い時期だった。それでも母は早起きしてお弁当を作ってくれた。ゲンを担いだ竹輪やカツがそれには必ず入っていた。父はカイロを温めて持たせてくれた(注:白金カイロ)。センタ−テストもニュ−スを見ながら思い出した。
夜、高校時代の友達4人で多国籍料理「ポ〇〇レ」で新年会。昔話に盛り上がる。「そういえば今日センタ−テストだったよね」と誰かが言い出した。「今受けても全然解かんないよね〜」この意見には全員一致。少しだけ高校生に戻った夜は静かにふけていった。
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