朝から診療開始。本来なら父が当番の日だが、趣味に没頭しすぎて体調を崩した模様。午前中にリラックス行事を入れていたのだが急遽キャンセル・・・ふぇ〜ん・・・
空模様は良い様な悪い様なではっきりしない。少し前までの私の気分みたい。でも今は大丈夫。「信頼」というゆるぎない高気圧におおわれているからね!

先日の新年会で非常に稀有な症例を聞いた。
10ヶ月男児がお腹から時折“ピピッ”という電子音が聞こえるという主訴で某病院小児外科に紹介された。確かに飲食後に小さな“ピピッ”が聞こえる。腹部X-pで胃内部に先の細い棒状の陰影が確認された。何とテ〇モの電子体温計!どうやって飲み込んだかは想像の域を越えないが、おそらく机の上に置いてありハイハイをしていた児の口元と同じ高さだったのだろう、丁度咽頭から食道までが一直線になった時にスルリと入ったのでは・・・所謂、剣を飲み込む大道芸人のように・・・というわけだ。
この症例で非常に運が良かったのは、電子体温計が病院使用のものだったという事。母親が病院勤務者で拝借していた体温計だったそうだ。通常、一般の電子体温計は電池交換が出来る為、ボタン電池同様、胃内で漏電し胃壁に穴をあけてしまう。しかし病院使用のそれは特殊であり、電池交換が不可能。そのため長時間胃内に存在しても漏電せず胃壁に穴をあけることもなかった。
さらに興味深いのは、この体温計はある一定の低い温度になるとリセットされる仕組み。故に飲食をして胃内の温度が下がるとリセットされ、例の“ピピッ”がなっていたらしい。当然摘出され、事なきを得た。
“ピピッ”の謎が解けた母親は「我が子がロボットになってしまったかと思っていた」とコメントしたそうだ。

聞き終えた私達、一同「へぇ〜」。多分ひとり15以上は叩いたはず。

“事実は小説よりも奇なり”の症例。でも我が子がロボットになってしまったらもっと“奇”なり。そしてそんな発想をした母親の思考回路もこれまた“奇”なり・・・

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