朝からカルテがズラリと並ぶ。数週間前には想像し得なかった事。症状も多種多様。それぞれの症状・経過に合わせて説明し処方する。当院では発熱児には必ず熱型表をつけてもらう。そうすれば、一々、「昨日は何度?強は何度?」と確認しなくて良いし一目瞭然。さらに平熱になっていなくても、発熱のピ−クが下がっているのも分かりやすい。その様な目的もあり母親に付けて貰うのだが、何度言っても付けてきてくれない人もいる。そんな母親に限って体温を問うと「昨日は〇℃でぇ、あれっ?一昨日だったかな〜?」何て始末。暇な時はよいけど、具合の悪い児がズラリの日には勘弁して欲しいぞ!

とにかく説明、説明で喋り倒し。暖房も入れているし咽喉はカラカラ。声が段々出にくくなるため、机上に水分補給のコップを置いている。私のお気に入りはイタリアの炭酸水“サンペレグリノ”ジュワジュワしていて、とっても咽喉には刺激的!!ボヤ−ッとしかけた頭をリフレッシュするのにも最適。呼び入れる合間にクピクピ飲んでいる。好き嫌いはあるが、私は炭酸水は大好き。ちなみに“二日酔い”にも効きます・・・

この時期、高熱の有無に関らず親御さんの最大の関心事は“インフルエンザか否か”が圧倒的多数だ。インフルエンザの検査はいまや鼻咽頭粘膜を綿棒で少しばかり頂き、試薬キットに垂らすと15〜20分で判定出来るという簡便かつ優れものだ。キットによってはAかBかまで判定出来る。世間ではこういった検査があるという事までは浸透しつつあるが、最適な検査時期まで知っている人は少ない。要するにインフルエンザウィルスが増殖した時期を狙って採取しなければ、空振りになり偽陰性となってしまい、抗インフルエンザ薬は内服処方されない。「先程から高熱で・・・」という人には前述を説明し、朝であれば当日の夕方、夕方であれば翌日高熱だったら検査が必要と説明している。殆んどの方が納得されて後から検査をしたり、そのまま解熱して治癒する人もいる(要するにインフルエンザではない)

夕方に11歳の男児がインフルエンザの検査希望にて来院した。熱は36.4℃だが吐き気があってだるいとの訴え。母親曰く「保健室の養護の先生が『最近は熱のないインフルエンザのあるから今日是非検査を受けたほうがよい』といわれたのでお願いします」との事。熱のないインフルエンザなんて〇〇・・・等と某コ−ヒ−会社のCMみたいだが母親は真剣そのもの。高熱も無いし検査は不要、症状がもう少しはっきりして検査をすると伝えると「でも、養護の先生が・・・」と不満げな表情。さらに詳細に説明し、最後には納得していただいた。仮にも医学部で6年間医学を習い、国家試験にも通り医師免許も持っていて10年以上小児科医をしている医師が説明した事よりも、養護教諭の言う事の方が信憑性が高いらしい・・・

ある循環器の先生が言ったそうだ「いまや我々の商売敵は“みのもんた”だ!!」どんなに病状を説明しても最後には「でもみのもんたはお昼にこう言ってました」と打ち返されるとの事。その気持ち、今日はとっても良く分かりました。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索