小さな希望の星

2005年2月4日 日常
我が家には二大ペットの一種(大きさがたくさんある方)が3頭いる。mとtは室内にいて小型で兄弟、毛足が長い。外にいるのはsで雑種、Tが一昨年の12月に近く河川敷で捨てられていたのを連れて来て我が家の一員となった。中型(やや大型気味)。家族全員、動物好きだが特に母はお世話が大好きで心底愛情を注ぎ込んでいる。マリモにまで声をかけたりしている。mもtもsもそんな母を心の中で一番に置いている様子。

入院している父の元へ小包が送られてきた。父が習っていた某趣味の先生(女性)からだった。約3年前から始めた趣味だったが、あまりにも素人の趣味としては高度な事を要求され、○真面目な父は今回入院する前に体調の悪いのを押してまでその製作に取り組んだ。母と私はやたら高価な材料を買わせたり、高度な技術を要求するその先生が何と無く気に入らなかった。しかし本人が楽しんでいるならと静観していた。今回、体調を悪くしてしまい父も少し負担になったのか、辞する事とし入院してからその先生にお詫びのお手紙を出していた。てっきりお見舞いの品かと思って開けた母は怒りに震えた。病床の父へのお見舞いの言葉は一行だけで、同封していた小さな材料は以前父が頼んでいたものであり、支払ってくれというものだった。その金額5万5千円、今月の会費も合わせて6万5千円だった。さらに今まで積み立てていた会費以外の諸経費は返せないとも記してあった。

確かに父が頼んだかもしれない。でも、もう辞めるといった人には不要な物だ。特殊な物でなく返品可能なはずだ。しかも病床にある人に対してなんと思いやりのない行動だと母は怒るのだ。支払いが惜しくて言っている訳ではない。真面目な弟子であった父の気持ちを馬鹿にしていると、母は悔しがっていた。この小包を父に見せたところ淋しげだったそうだ。「だから言ってたでしょ!!」と母に諭されたらしい。

昼食時に母はこの話を聞かせてくれた。「非常に腹立たしい」とやや“イイカモ”扱いされ、それを見抜けなかった父にも憤懣やるかたないといった表情。私は「うん、うん」「そうだね〜」と相槌に徹する。食後、mとtと遊んでいると母が笑みを浮かべてにじり寄ってきた。
「ペットラ○○(行き付けのペットショップ)に小さくて可愛いのが居るのよね〜」と母。
「ふぅん」
「ちょっと見に行かない?」
「えっ?」
「ネッ!ちょっとだけ・・・」
見に行く途中いかに可愛いかを延々と聞かされる。お店に着いて見ると確かに可愛い。生後5ヶ月の女の子だ。色は明るい茶色と白。
母がお店のオ−ナ−と話している。「やっぱり、どちらかを避妊しないと子供出来ちゃいますよね〜」

母は購入する気満々だった。いや明らかに“お買い上げ”だった。水面下で話はついていた模様。父が“無駄な散財”をしたから文句は言わない筈だとのたまっている。
「大変だよ。またお母様の仕事増えちゃうよ・・・」と言いかけた言葉を飲み込んだ。そんな事、私から言われなくっても母は解っている。でも百も承知で決断したに違いない。口では言わないが、父が入院して淋しいのかもしれない。頬を摺り寄せ破顔して微笑む母を見て、反対できなかった。

名前はcちゃん。約1.8kgの新しい一員。キラキラ輝く小さな星が降って沸いたように飛び込んできた日だった。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索