溜飲

2005年4月29日 日常
暦では祭日だが、私にとっては今日もお仕事。隣市の休日診療の日勤に出かけた。大型連休の前のためか、帰省中の患児も多い。発熱児が多いのは当たり前だが、何故か吐いている児も多い。でも吐いているのにグラタンやハンバ−ガ−や炭酸ジュ−スを与えるのは止めてぇ〜

ここは久しぶりの勤務。特にお昼休みの時間は設定されていないが不思議に正午から来院者の足が落ちる。この隙に私達は昼食をとる。ここの施設から昼食は支給されるのだが、往々にしてこの手のお食事はあまり美味ではない。自分で持ち込む先生も多いようだが私はなるべく用意されたものは食べるようにしている。ここの食堂は隣のI病院のそれを使用しているので、隣まで移動して昼食を摂る。

行くと誰もいない。用意された食事をお盆にとり、冷えかけた食事をもそもそと食べていた。その時、背後のドアが開きここの職員だろうか、医師と思われる男性の声と看護師と思われる女性の声がした。

その声の持ち主の男性は私が人生の中で二度と遭遇したくない5本の指に入る人だった。ただでさえ、美味でない昼食がさらに増悪。さっさと箸をおき出て行こうとしかけたその時・・・背後から「Azureさん?」
無視するわけにもいかないので、デパ−トのマネキン以上の無表情な顔つきで「こんにちは」とだけ挨拶し、その場を立ち去った。

10数年前、私はその人に痛い目にあわされた。騙され大きな傷を心に負った。しかしもう社会人の一人だったので傷がイタイイタイと泣いてばかりもいられず、ただひたすらに働いた。当時そんな私を見て母がこう慰めてくれた。「どちらかを選ばなければいけないのなら、人間、騙すより騙される人間を選びなさい。そして騙されたからといって悲観しては駄目。神様がちゃんと見ていてくださるから。騙された人にはきっと良い事があるから・・・但し騙されてばっかりと言うのはいけないけど」

何となく不快な気持になってしまった。でもこの後、溜飲が下がる気持にさせられる事が合った。たいした事でもないが、心の片隅に腐り方が醜くみるのも拒んでいた封印していた食べ物をようやく捨てた気持になれた。

今、私は自分の目で長期に渡って見てきた人を愛し、信じている。きっとその人との明日は必ずやってくると信じている。たとえ時間がかかろうとも、明日は来てくれる。

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