くちばしの色

2005年10月17日 日常
医師は「病気を治す人」ではない。「病気が治るのを手助けする人」であると私は思っている。「治す」ための主人公は、患っている本人だ。

医師は崇高な存在でもなく尊大でもない。ただ人の身体やそれに関連した疾患について他の人よりも余計に知識を持っていてそれを駆使して薬を処方したり、処置を施すのである。

また医師は「教育者」でなければいけない。この疾患に対してしてよい事や病気の予防法、健康維持法などを一般の人に教える義務がある。しかし、そのためには相手に耳の痛い事、苦言を言わざるを得ない事もある。

以前の人達は「苦言」に素直に耳を傾けてくれ、その指示を仰いでくれた。しかし現代は「苦言=嫌な医者、怖い医者」「甘言しか言わない、何でも言うとおりに許してくれる=良医」となっている。

私は敢えて苦言を言う。しかし、今までのように頭ごなしでは相手も耳を塞ぐ。「北風と太陽」のように口調をやわらかく、相手が少しでも耳を傾けてくれるようにして、やんわりと“苦言内容”を伝えている。

私はまだまだ嘴が黄色い。黄色味に円熟味が加わった時、一体どういう嘴の色になるのだろう・・・

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